第二章

うん、思考が整理できてきた気がする。
古いわりに綺麗な状態の家。
この広さだと、一人暮らしではなく家族単位で使用していたのか……分からない。
しかし、間取り図や説明書きには矛盾は一切ない。
……私が感じた違和感は、単なる思い過ごしだったのだろうか?
隅々まで探索していると、押し入れの隅に1枚の紙が挟まっているのを見つけた。……写真?

裏面には1900年代の日付とともに「初家族写真」と記載されていた。
どうやらこの建物ができる前に撮られた、新婚の記念写真のようだった。
もしかしたらこの物件の最初の住人は、この夫妻だったのだろうか。
そうだとしたらこの写真、これまでよく見つからずにここに挟まっていたものだ。家自体の状態も良いし、もしかしたらこの物件に住んだ人間の数は本当に少ないのかもしれない。
写真の中の、着物を着た2人を見て、改めてこの建物の歴史を感じる。穏やかでふっくらとした女性の顔立ちから、彼女が相当恵まれた家の出であろうことが容易に想像出来る。幸せそうな2人をボーっと見つめながら、写真片手に居間へ大の字に寝転がる。

朝からずっと調べているけれど手がかりなし。不思議な写真こそ1枚見つかったが、全く不自然な部分がない。気が付けば、内見を始めてから相当の時間が経っていた。

背中に感じる畳の冷たさが心地よい。
古い家独特の匂いに包まれて、うつらうつらとする。
この現地調査において成果は特に得られなかったが、仕事は一通りしたつもりだ。小林編集長も、このまま私が帰っても咎めないだろう。
正直消化不良ではあるが、もう手詰まりだ。
不動産屋に連絡して内見を終わらせよう……そんなことを考えていた時。ふいに強烈な違和感を抱いた。
あれ。パッと起き上がり、先ほどまで寝ていた場所を……畳を、確認する。やけに小さい気がする。
1枚の畳の真ん中に立ち、長辺を測るべく腕を広げてみる。
大体腕を広げたときの長さと身長は同じ、と言われているが……やはり、この畳の長辺が2m近くあるとは思えない。
慌てて念の為持参していたメジャーをポケットから取り出し、畳の縦を採寸する。
「……1.76m……?!」
もしかしたら私は大きな勘違いをしていたのかもしれない。
私はスマートフォンを取り出し、改めて調べてみることにした。

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