最終章

「いけにえ…?」
これを漢数字で表すということは…。
先ほど作り上げた表を確認しながら「一一三五四一六五」の順でボタンを押した。
すると、カコンと小気味よい音がした。
茶室側に回り込み、柱を確認すると、縦40センチ・横20センチほどの長方形が僅かに飛び出していた。
この長方形に手を伸ばす。
怖い。
恐ろしい。
しかし…私は、真実を知りたい。
長方形に触る。
どうやら柱の内側は金属でできていて、この部分だけ空洞になっているようだった。柱からそっと長方形を取り除くと、床下の空間を覗き見ることができた。
途端に地下を覆っていた異臭が…腐敗臭が、ムワッと1階に広がる。
床下…つまり地下室の天井に当たるこの空間からは、
ごろんとした「なにか」が現れた。
赤黒くなった布に包まれた「なにか」。
乾ききっているようだ、非常に軽い。
大きさ30センチばかりのその小さな塊を包む布をそっと剥がしてみる。
中身が見えた瞬間、私の脳裏では、先日見た都市伝説の動画が再生された。

「みなさんは『人柱信仰』というのをご存知でしょうか。自らを天災から守るよう神霊に祈願するために、建造物やその付近に人の血や肉を捧げたり、人間を生かしたまま埋めたりするような風習です」
「この信仰は、例えば江戸時代の城建設の際に美女が生き埋めにされた等、日本でも実際に行われていました。もちろんあくまで「伝説」だろう、と考える方もいるとは思います。しかし火のないところに煙は立たないのです。
人間の信仰心とは実に不思議なものです。窮地に追い込まれた人間は、どのような行動をとるのか分からないでしょう?」

視界が揺れる。
もしかして江戸時代からある「四面塔」伝説を恐れて…?いやしかし、この塊は一体…?
そのとき、私はこの「なにか」が出てきた空間に、写真が添えられていることに気がついた。
この写真を拾い上げる。

どうやらここに来て最初に拾った写真に写っていたのと同じ夫婦のようだった。

背景にこの建物が見える。1枚目には建物ができる前の日付が書かれていたから、あれから時間がかなり経過した後の写真のようだ。

しかしこの写真、結婚当初に撮影された写真とはだいぶ印象が違う。2人とも痩せ細って疲れ切っている印象だ。

特に女性はあの部分が顕著に変化した…。

私はそこまで考えてハッとある可能性に気がつき…写真裏の力ない文字を確認して、

全てを、悟った。

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